「その他大勢なんてごめんだい。主役はきみ！」

この言葉は、私が中学生の時
担任の先生が毎日発行するお便りに書いてあった言葉です。
今でも、大切に大切に持っているお便りです。

私は幼少期決して目立つ方ではなく
勉強や運動が飛び抜けてできる方でもなく
どちらかといえばできない方で
身長もとても小さく大人しかったため
ただ静かに、先生の言うことを聞く子でした。

小学校4年生の頃
学校主催の芸術鑑賞会でミュージカルを見ました。

初めて見るミュージカルは、私の心を鷲掴みにしました。キラキラと歌い、踊る人たちを見てとても感動しましたし、何よりも物語に入り込んでしまい終わった後に一生懸命拍手をしたことを覚えています。

周りの友達もみんな拍手していました。
鳴り止まない最後の大きな大きな拍手を聞きながら

「ああ、運動でも勉強でもなく、人は拍手をもらえることがあるんだ。」

そんなことを思いました。

その日から私の夢は、「ステージに立つこと」になりました。

「演技指導」の仕事につくまで

中学生から劇団入団し、演劇の世界にどっぷりと浸かって、その後の演劇ミュージカル科。ずっとお芝居を続け、厳しい世界にいました。

養成所時代は、お給料がもらえるような仕事もまだなかったので、パン屋さんでパンの耳をもらったり、稽古の合間にバイトを３つ掛け持ちたりしながら、夢を追いかけ続けました。

そして養成所を卒業すると同時に大手プロダクションで「子役演技指導」の仕事を開始しました。

マネージャーさんたちに聞かれます

「先生、どの子が売れそうですか？」

この問いが、私を強くしました。

「一瞬で、その子の良いところ、輝くところを見抜き、輝けるようにオーディションまで導く。」

というスキルが身についたのですから。

私は、この「演技指導」の仕事が向いていました。

うちのクラスの生徒は誰も休みません。
みんな楽しそうにレッスンに来ます。
自由に表現し、どんどん自信をつけていきます。

私にとって自分の生徒は宝物になりました。

「どこの世界に行っても、どんな職業についても生きていけるスキルを渡す」

それが私の目標でした。

今となれば、演劇を通じたコミュニケーションの稽古をしていたように感じます。

そうして、自分自身の活動も忙しくなってきた頃、いつものようにマネージャーに聞かれました

「先生、今期のメンバー、どの子が売れそうですかね。」

私の答えは変わりました。

「どの子も売れます。みんなの魅力はそれぞれなので。」

あれから、もう10年以上が経ちます。

私たちの使命

自分の人生の主役は、自分です。
代わりはいません。

「はれる」に集まる大人たちも、いつだって本気です。

その他大勢はいません。

みんなが主役であり、大切なメンバーです。

子どもたちが、自分として生きることに
希望を持てるような世の中にすることが、私たちの使命だと思っています。

一般社団法人はれる
代表理事 ひなたなほこ

ひなたなほこ

代表理事 / 音楽アーティスト / 女優 / 脚本・演出家

10代の頃より北区つかこうへい劇団ダンス・アクション教室で演技を学ぶ。演技者としてのキャリアを積み重ねながら、父親にもらったギターをきっかけに、音楽表現の可能性に目覚め、2007年より音楽アーティストとしての活動を本格的に開始。現在、音楽と舞台の統合芸術としてミュージカル製作（作曲・脚本・演出）に打ち込みつつ、コンサートや舞台で幅広い活動を展開している。ファミリーミュージカルの作演出家として活動し、またオーケストラコンサートなども開催。

「本物の感動こそが生きるちからを与える！」ことを掲げ、表現を通じた子供の成長を目指す表現教育指導者となり、地域との共創による子供たちのための心豊かな社会づくりを目指す。

アルバム「パパとママへのラブソング」他、多数の曲を作詞・作曲し、自ら歌う。体感型コミュニケーション教育プログラム『ドラマケーション』（文部科学省委託事業）のファシリテーター。クラーク国際高校柏キャンパス「コミュニケーション演劇」の講師。

眞間 麻美（しんまあさみ）

理事 / ピアノ演奏者 / 作曲家

母の影響を受け幼少からピアノを始める。東京音楽大学ピアノ科卒業。在学中よりポップス、ジャズにも興味を持ち勉強。現在は様々なジャンルでの演奏活動をするとともに、子供から大人まで幅広く教える講師としても活動中。

参加ユニットは、小夜子&眞間麻美、エーソウルトレイン、HotSprongTrio、Retrio等。